平成12年度に文化庁が行った「国語に関する世論調査」というのがありました。「国語に関する世論調査」とは、「言葉遣いの乱れや日常のあいさつなど言葉遣いに関すること」「言葉のしつけや言語環境に関すること」「情報機器を用いたコミュニケーションに関すること」などについて国民の意識や実態を調査して今後の国語施策の参考とする調査で、調査対象は全国の16歳以上の男女3,000人でした いくつもの質問事項の中でおもしろかったのは、ことわざの解釈です。 みなさんも考えてみてください。次のことわざの意味は何でしょうか? 問1「情けは人のためならず」 問2「一姫二太郎」 問3「かわいい子には旅をさせよ」 わかりますか? わからないって!? では、ヒントです。 次のうちから正しい解釈と思えるものを選ぶべし! 問1「情けは人のためならず」 ア 人に情けをかけておくと,巡り巡って結局は自分のためになる イ 人に情けをかけて助けてやることは,結局はその人のためにならない 問2「一姫二太郎」 ア 一人目の子供は女,二人目の子供は男であるのが理想的だ イ 子供は女一人,男二人であるのが理想的だ 問3「かわいい子には旅をさせよ」 ア 子供が旅することを望めば,希望どおりにさせてやるのがよい イ 子供は手元で甘やかさず,世間に出して苦労をさせた方がよい さてどうでしょうか? 正解と正解率を挙げてみると 問1「情けは人のためならず」 正解率47.2% 不正解率48.7% 正解「人に情けをかけておくと,巡り巡って結局は自分のためになる」 問2「一姫二太郎」 正解率60.9% 不正解率33.7% 正解「一人目の子供は女,二人目の子供は男であるのが理想的だ」 問3 「かわいい子には旅をさせよ」 正解率7.8% 不正解率90.8% 正解「子供は手元で甘やかさず,世間に出して苦労をさせた方がよい」 見ていただいたらわかるとおり、特に問1の「情けは人のためならず」は不正解率が正解を上回りました。年代別でみると、60歳代は正解率が65%以上ありますが年代が下がってくると、50歳代で正解率47%、40歳代でぎりぎり正解率40%、30歳以下は正解率30%になります。 つまり若い世代になるほど正解率が落ちていく傾向にあるようです。「情けは人のためならず」の出典は遠く南北朝時代の頃といわれているようですが、下剋上を世相とする南北朝時代には裏切りなども多かったでしょう。 その世相を踏まえて、「善因善果」「悪因悪果」「自因自果」の考え方が多くの人に身にしみていたのではないでしょうか。 「情けは人のためならず」ということわざは下剋上もない平和の時代に生きる私達にとってなじみが薄くなっている「ことわざ」なのかもしれないですね。
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